第11回エシカルインタビュー <鉾田第一高等学校(鉾田市)>

茨城県内のエシカルな取組を紹介する「エシカルインタビュー」。

今回は、身近な社会問題の解決を目指して活動する高校生グループ、県立鉾田第一高等学校「EEM」を訪ねました。「EEM」は、「Earthling Exchange Meeting」の頭文字を取ったもので、「地球人交流会」という意味です。「校内の小さなコミュニティですが、校外の人々とも広く交流しながら地球規模のSDGsの課題解決を目指そうという考えを表しています」と、リーダーの大里和(なみ)(3年)さん。
「EEM」は2022年、災害備蓄食品のローリングストックにつなげるため、災害備蓄食品の代表格である「アルファ米」のアレンジレシピを公募。2023年には、それらをまとめたレシピ集を作成しました。

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「第1回高校生 食のSDGsアクションプラングランプリ」優秀賞受賞

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活動のプレゼンテーションを行う大里和さん

EEMの活動について

現在、主に取り組んでいるテーマは食品問題です。
「探究を続ける中、賞味期限切れの災害備蓄食品が大量に廃棄されていることを知りました。そこで着目したのが、ローリングストック法です。これは、備蓄食品での取り組みで言うと、普段の食事で備蓄食品を消費し、使ったら買い足して常に新しい食品を備蓄する方法です。
そして、調査を進めるうち、わが校にも災害備蓄食品としてアルファ米が備蓄され、消費期限を迎えた380食に対して、廃棄するか、他の手立てがあるか、問題になっていることが分かりました。
私たちは、普段の食事でアルファ米を楽しめるようにできれば、ローリングストックが進み、フードロスを減らせるのではないか、と考えました。」
そうして「EEM」は、アルファ米を使ったアレンジレシピコンテストを開催し、高校生や保護者、教員から13ものレシピが集まりました

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実際に作った「アルファ米」アレンジメニュー

「アルファ米」アレンジレシピ集について

「EEM」のこの一連の活動は2022年、流通科学大学(兵庫県神戸市)主催の「第1回高校生食のSDGsアクションプラングランプリ」で優秀賞を受賞。翌年にはその賞金を使い、レシピ集を作成しました。
「公民館をお借りし、実際に私たちで作ってみました。応募レシピでは曖昧だった調理時間や調味料の分量などは、茨城大学の石島恵美子先生のサポートを得て、料理初心者でも作りやすいように定量化しました」と、黒澤千愛(せら)(3年)さんと中井悠希さん(3年)。

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左から中井優希さん、大里和さん、黒澤千愛さん、土屋和佳先生

レシピ集には、それぞれのレシピの味の特徴や作りやすさを示した「Goodポイント」、時短や省エネにつながる「ゼロロスポイント」も記載。A5判サイズ、フルカラーで30ページもあり、写真が多用されて分かりやすく、すぐに作ってみたくなる力作です。

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応募レシピを自分たちで調理し、誰でも作りやすいレシピを作成

今後の展開について

「EEM」は地元・鉾田市商工会主催のイベントにブースを出展し、活動のあらましをポスター発表したり、レシピ集のカラーコピーを配布したりと、活動の場を地域の人々の中へと広めています。
SDGsの未来に光が差したように感じる取材でした。

●茨城県立鉾田第一高等学校 EEM
アクセス 茨城県鉾田市鉾田1090-2
電話番号 0291-33-2161

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