第9回エシカルインタビュー <鈴木ハーブ研究所(東海村)>
茨城県内のエシカルな取組を紹介する「エシカルインタビュー」
今回は、さまざまな環境保護・社会貢献活動をおこない、その活動のひとつが「いばらきデザインセレクション2022」で選定を受けた、鈴木ハーブ研究所を訪ねました。
取材に応じていただいた、代表取締役社長 鈴木さちよさん、販促事業部 疋田茉菜美さん
鈴木ハーブ研究所について
鈴木ハーブ研究所では、自然が育んだハーブの力と人が生み出した科学の力を用い、『肌本来の美しさを目覚めさせるスキンケア』の研究開発・販売をおこなっています。
とくに、《パイナップル豆乳シリーズ》は幅広い層に支持され、なかでも2004年に生まれた「パイナップル豆乳ローション」はもうじき20年を迎えるロングセラー化粧水です。
また、同研究所は、SDGs(持続可能な開発目標)に賛同し、自然の恵みを活かした化粧品をつくる会社として、収益の一部をさまざまな自然環境保護活動に活用するほか、人の輪を大切にする企業を目指し、社会貢献活動にも取り組んでいます。
ハーブのイラストが描かれた社屋兼店舗では、各種スキンケア商品を購入可能
障がい者と社会とつなぐ「ハーブのイラストカレンダー」
同研究所では、障がいを持つ人の仕事に対する前向きな姿勢を応援するため、地元のNPO法人「まつぼっくり障がい者就労支援事業所わーくるほーぷ」の活動を支援しています。
その一環として、2016年からカレンダーのデザイン・ディレクションに協力し、2022年には「ハーブのイラストカレンダー」が「いばらきデザインセレクション2022」ソーシャルデザイン部門において選定を受けました。
「ハーブのイラストカレンダー」は、「まつぼっくり障がい支援事業所わーくるほーぷ」の利用者たちが紙づくりから印刷、裁断、封入まで丹精込めて仕上げた数量限定のカレンダーです。
紙は、使用済み牛乳パックを一度溶かした後に1枚1枚手すきした和紙。イラストは、赤・青・黄色の三原色と白色だけで描く「キミ子式」を採用し、伸び伸びと描かれています。
※キミ子式…絵の具の赤、青、黄色の三原色と白色だけで色をつくり、描きはじめの一点を決めたら、そこから隣へ、隣へと描き進めていきます。画用紙が余れば切り、足りなければ足して、構図は最後に決めるという画法です。この自由さで、誰もが伸び伸びと絵画を描くことができます。
キミ子式で絵を描く様子
カレンダー使用後は切り取ってポストカードやインテリアアート、コースターなど幅広い用途に自由に使うことができ、長く楽しむことができます。
「ドイツには新商品を指して『潜在的廃棄物』とする考え方があります。『どんな製品もいつかはゴミになるモノ』という視点です。江戸時代の商人たちは、『モノの効用を使い切ることが真にモノを生かすことになる』という始末の精神を持っていました。今こそ、そこに立ち返りたいですね」と、鈴木さちよ社長。
同研究所では、100%リサイクル可能な容器や外装フィルムを主力の化粧水に使用するなど循環できるものづくりの仕組みをつくるだけでなく、社内でも循環型社会への移行を促す文化を醸成しようとしています。
今後の展開について
「当社はオンラインショップでも商品を販売しております。オンライン販売ではどなたがご購入くださったか把握できないのですが、出張先など思わぬところで『ハーブのイラストカレンダー』に出会うことがあり、地域を超えて、活動への共感が広がっているんだなと嬉しく感じます。村内や県内に限らず、SDGsに対して同じ思いを持った人や企業とつながり、思いをさらに広く伝えていきたいと思います。 」とお話いただいた鈴木社長、疋田さんの笑顔が印象的でした。
●株式会社鈴木ハーブ研究所
アクセス 茨城県那珂郡東海村村松2461
電話番号 029-282-8881(代表)、029-282-4700(広報)
ホームページ https://s-herb.com